「断酒して1年経ちました」久しぶりに会った経営者の方から聞いた話
- 久しぶりの再会先日、久しぶりにある経営者の方とお会いしました。
以前から面識のある方なのですが、お会いしてしばらくすると、
「断酒して1年経ちました」
と教えてくださいました。
「もう1年ですか!」
と驚きながら、
「お酒をやめて、何か変わったことはありますか?」
と聞いてみました。
すると、こんなお話をしてくださいました。 - 変化の自覚「相変わらず会食は多いし、お酒の席に行くことも多い。でも、自分は飲んでいないから、そこで話した内容をちゃんと覚えているんですよね。それで、成約率も上がりました」そしてもう一つ。
「とにかく、日中の仕事のパフォーマンスがいい」
ともおっしゃっていました。経営者という立場上、今でも会食やお酒の席に参加する機会は少なくないそうです。
断酒したからといって、そうした場所から離れたわけではありません。周りがお酒を飲んでいる中でも、自分は飲まずに会話をする。そして翌日になっても、そのときに誰と何を話したのか、どんな約束をしたのかをきちんと覚えている。
それが結果として、仕事にも良い影響を与えているそうです。
- 断酒のきっかけは人それぞれそのお話を聞きながら、私はとても嬉しくなりました。というのも、この方が断酒を始めたきっかけは、ご自身が積極的に「お酒をやめよう」と思ったことではなかったからです。ご家族から「お酒をやめてほしい」と言われたことがきっかけで、最初はどちらかというと、しぶしぶ始めた断酒だったそうです。だから私は、少しだけ気になっていました。
「ずっと我慢しているような感覚になっていないかな」
「飲みたいのに飲めない、という苦しさが強くなっていないかな」
そんなことを思っていました。でも、そんな気がかりはまったく必要なかったのかもしれません。
「お酒やめてますよ!」
そう話してくださる表情が、本当に活き活きとしていたからです。 - 失うものもあるけれど、得られるものもある
断酒や減酒というと、
「お酒を我慢すること」
「好きなものを手放すこと」
「楽しみが減ること」
そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。実際、「飲みたいけれど飲まない」という我慢が必要な時期もあると思います。でも、続けていく中で、
「朝が楽になった」
「仕事に集中できるようになった」
「人との会話を覚えている」
「休日を有意義に使えるようになった」そんなふうに、「お酒をやめたことで失ったもの」よりも、「お酒をやめたことで得られたもの」が見えてくることがあります。今回お話を聞いた方にとっては、それが「仕事のパフォーマンス」や「成約率」という、とても実感しやすい形で表れていたのだと思います。
- 何より私が嬉しかったこと
「1年間お酒を飲んでいない」という事実そのものではありません。
ご本人が、その生活の中にメリットを見つけて、笑顔で話してくださっていたことです。断酒することが、すべての人にとって正解だとは思っていません。
減酒という選択肢もありますし、お酒との付き合い方は人それぞれです。ただ、「お酒を減らしたら、何を失うんだろう」
と考えるだけではなく、「お酒を減らしたら、自分の生活に何が戻ってくるだろう」
と考えてみるのも、一つなのかもしれません。時間、体調、記憶、仕事の集中力、体力、家族との時間。
それは、実際に少し距離をとってみて、初めて気づくものなのかもしれません。
久しぶりにお会いした方の笑顔を見ながら、そんなことを考えた一日でした。※ご本人の許可をいただいたうえで、個人が特定されない形でエピソードをご紹介しています。寺島 渚紗